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[Sy] 『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』を読む(5)

2012/05/06

『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』 のポイントと感想のまとめの第5回です。 前回は、第2章 『生活をコントロールする GTD実践のための5つのステップ』 から、最初のステップになる 「収集」 についてのまとめでした。

今回は2つ目のステップになる 「処理」 についてです。細かい部分は第6章に書かれているのでそこでまとめるとして、ここでは概要についてのみまとめていきます。

【ステップ2】処理

ステップ1の「収集」の段階で、inboxには様々な「気になること」が集まっている状態です。これをまさに「処理」していくのがこのステップになります。

では、「処理」とは具体的にどんなことをするのでしょうか。

inboxの「気になること」は、とにかく深いことを考えずに入れておけ!というノリで集められています。ですので、これらの「気になること」は、

ほとんどの場合、そのままでは行動に移すことができない。

という状態になっているはずです。そんな 「行動を起こすための原石」とも言える、様々な「気になること」を予め用意されたいくつかの質問によって磨き上げていくステップが、この「処理」になるのです。 「処理」された「気になること」は、次のステップの「整理」にて最適な場所へ保管されます。

GTDの「処理」では、「気になること」を たった6つの質問 で磨き上げ、求める結果や行動を具体化していくことができます。その6つの質問とは、

  • これは何か?
  • 行動を起こすべき?
  • 次に取るべき行動は1つ?
  • 2分以内でできる?
  • 自分でやるべき?
  • 特定の日付にやるべき?

以上の簡単な質問です。この質問に上から順に答えていくわけですが、ここでGTDが優れたものであると感じられる1つのポイントがあります。

それは、1つ目の「これは何か?」以外の5つの質問は、すべてYesかNoの2択になっていて答えが明確であるということです。その日の気分によってばらつきが出てしまうようなタスク管理システムだと、自分自身、そのシステムを信頼しきれなくなってしまい、最終的に使えないシステムになってしまう恐れがあります。そのため、GTDでは信頼できるシステムであり続けることを重要視している ため、このようなシンプルな質問にまとまっていったのでしょう。

では、6つの質問について軽く触れておきます。

まず1つ目の「これは何か?」ですが、簡単に表現すると inboxに入ってきた様々な「気になること」一つ一つと向き合って、自分の考えを整理する時間を持つ。 といったところでしょうか。ここで考えた答えをベースに以降の5つの質問に答えていくことになるので、手抜きは禁物です。

次に、「行動を起こすべき?」ですが、ここでNoという答えが出れば、次の3つのどれかに振り分けて「処理」は終わりになります。

  • 現時点では無価値で、もう必要のないもの(ゴミ)
  • 今やる必要はないが、いつか行動する必要が出てくるかもしれないもの(保留)
  • あとで必要になるかもしれない情報(資料)

ぼくの場合、GTDを導入できていない今は、資料にあたるものを「後で見ておかないといけないタスク」として管理しているため、必要以上に自分を追い込んでいるんだなー と気付きました。

「行動を起こすべき?」の質問でYesと答えたものについては、3つ目となる「次の取るべき行動は1つ?」という質問に答えます。

ここでNoとなるものは、これまたGTDで重要な要素となる 「プロジェクト」 として扱うことになります。プロジェクトについては別途まとめるとして、第2章で著者が説明している文章をここでは紹介しておきます。

GTDでは「求めている結果」を「プロジェクト」と呼ぶことにしている。

これだけだと質問との関連がわかりづらいので、もうちょっと整理してみます。

まず、質問の「次の取るべき行動は1つ?」に対してYesと答えた場合のことを考えます。ここでYesと答えられると「気になること」は、すべて具体的な行動を表すものになっていることになります。例えば、「GTDについてネットで調べる」とか。

では、Noと答えたもの(プロジェクトとして扱うことになるもの)にはどんなものがあるか考えてみます。例えば、「TOEICで900点を取る」というもの。これは、具体的な言葉で表現されていて明確ではあるものの、「次に取るべき行動は1つ?」という質問に対してはNoという答えになります。平行していくつかの行動を起こすこともできるし、そもそも最初に何をすべきかを改めて考える必要があります。また、「求めている結果」そのものでもあります。

このように、GTDにおいてプロジェクトとして扱うことになる「次に取るべき行動が1つではないもの」は、「求めている結果」を表しているものになるはずです。

話を元に戻します。「次に取るべき行動は1つ?」にNoと答えた場合はプロジェクトとして管理することは上で書いた通りです。では、Yesと答えた場合はどうするかですが、あとの3つの質問をほぼ同時に考えればOKです。3つの質問とは、「2分以内でできる?」「自分でやるべき?」「特定の日付にやるべき?」ですね。

これによって、具体的な行動を「今すぐやる」「誰かに任せる」「あとでやる」もののどれになるのかを判断し、管理・行動できるようになります。

以上が、「収集」によってinboxに集められた「気になること」を6つの質問によって「処理」する流れについての概要になります。「処理」した結果の管理方法については、次のステップとなる「整理」にて触れていきます。また、「処理」によってinboxは空になりますが、これもGTDの重要なポイントの一つです。

「収集」に続き、「処理」もなかなかのボリュームになってしまいましたのでここまでにします。次回は第2章の続き、3つ目のステップ「整理」からです。