[Sy] 『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』を読む(8)
『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』 のポイントと感想のまとめの第8回です。
今回は第3章 『創造的にプロジェクトを進めるために プロジェクトプランニングの5つのステップ』 についてになります。
第2章では、GTDの基本となる「収集」「処理」「整理」「レビュー」「実行」という5つのステップについて書かれていました。このようなプロセスのことを、著者はこのように表現しています。
「気になること」をどう行動に移していくべきか先を見通すという意味で「水平的な視点」と名付けている。
また、この 「水平的な視点」 とは別の視点として、
より高いレベルから段階的に「やるべきこと」をとらえなおし、その結果を自分のシステムに組み込んでいくこと
が必要だと言っていて、このもう一つの視点を、「垂直的な視点」 と表現しています。 そして、この「より高いレベル」というのが 「プロジェクト」 になると説明しています。
GTDにおけるプロジェクトとは一般的なプロジェクトと言われるものとは意味が異なります。ここで言うプロジェクトとは、「求めるべき結果」のことだということを頭に入れて続きを読んでください。
さて、ちょっとわかりずらいので整理すると、「水平的な視点」は一つの「気になること」だけでなく、全体を見渡してどう行動すべきか考える視点であり、「垂直的な視点」は一つの「気になること」をより高いレベルである「プロジェクト」として扱い、掘り下げて達成に向けて何をすべきか考えていくこと、という感じになるでしょうか。
そして、「垂直的な視点」によってプロジェクトを達成に向かわせるために有効な手段として、「ナチュラル・プランニングモデル」を挙げています。
「ナチュラル・プランニングモデル」 とは、人が普段行動する際に脳が自然と行っていることで、次の5つのステップからなると書かれています。
- 目的と価値観を見極める。
- 結果をイメージする。
- ブレインストーミングをする。
- 思考を整理する。
- 次にとるべき行動を判断する。
これを文章にした説明がこちらです。
まず、何かが起こってほしいと望む。次いでイメージする。さらにそれに関するアイデアを思い浮かべ、それらを整理する。そして、求める結果を達成するのに必要な行動を決めるのである。あなたはこれらを、とくに意識することなく行っているはずだ。
本書の中では、夕食の計画を例にあげて普段脳がどのような順序で考えていて、最終的な行動をにつながるかをわかりやすく説明しています。ぼくの説明では物足りない方は、目を通してみてください。
では、まとめに入ります。
著者がこの章で言いたかったのは、このような「ナチュラル・プランニングモデル」によって「プロジェクト」を達成へ向けて進めていくことが必要だよ。それが効率的だよ。ということです。そして、実際の仕事ではどうなのか?ということについて、このように書いています。
ナチュラル・プランニングとはまったく正反対の、リアクション型プランニングモデルが仕事の現場でよく見受けられる。
リアクション型プランニングモデルとは、タスクに追い詰められたあげく焦って「行動」し、これではダメだと「整理」「ブレインストーミング」を行い、それでもダメならコンサルタントを雇い「目的」を再確認する、というプランニングモデルであると説明しています。ナチュラル・プランニングモデルとはまったく逆ですね。どちらが効率的かは誰が見ても明白でしょう。
以上で第3章のまとめは終わりです。また、第1章から第3章までで、第1部「GTDの基本」も終わりになります。次からは第2部「ストレスフリー環境で生産性を発揮しよう」となり、より具体的に「収集」から「実行」の流れを説明しています。
と、ここまで8回に渡って第1部をまとめてきましたが、ここで打ち切ります。 というのも、ここからの内容は一度自分でも体験してみないことにはうまく落とし込めないからです。経験していないまま書けるのはここが限界。まずはやってみます。