[Sy] さくらVPSにDebain 7(Wheezy)をインストールする手順
さくらVPSにDebian Wheezyをインストールしたい
僕はWebサイトを運営するために さくらVPS をよく使うのですが、旧ブログが動いていたサーバが空いたので、勉強用のサーバにしてしまおうと思ってOSを再インストールしました。
さくらVPSは、さくらインターネット が提供している仮想専用サーバを借りられるサービスです。
さくらVPSでは、デフォルトのOSは_CentOS_になっていますが、僕は Debian 愛好者なので カスタムOSインストール という方法でDebianをインストールしました。
この記事では、最新バージョンの Wheezy (2013年8月時点)をさくらVPSにインストールする手順を説明します。
その前に、VPSとは??
VPSとは Virtual Private Server の略語で、仮想専用サーバと言われます。
ブログなどで使われる、いわゆる レンタルサーバ とは違い、「ブラウザ上でファイルをアップロードする」といった操作をすることは基本的にありません。(別の方法でアップロードします)
真っ黒な画面にひたすらコマンドを打ち続けて、PHPをインストールしてみたり、Rubyをインストールしてみたり、より自由にサーバを扱うことができます。
もちろん 仮想 と付いているように、物理的なサーバを1台専有できるわけではありません。たくさんの契約者で使っているので、その点は注意が必要です。
ちなみにこのブログも、さくらVPS上で動いています。
CentOS、Debianについて
上に出てきたCentOS、DebianというOSですが、両方とも Linuxディストリビューション の名前です。通常はLinuxと呼ばれています。Linuxにはたくさんの種類があり、最近ノートPCでよく見る Ubuntu もLinuxのひとつです。
VPSは、レンタルサーバに比べて自由度が高いですが、基本はコマンド操作になるので敷居はちょっと高めかもしれません。が、レンタルサーバを使っていて融通がきかないなーと不満がある方や、Linuxに興味がある方にとっては面白い選択だと思います。
インストール手順
それでは、本題の手順の説明です。
1.さくらVPSコントロールパネルをブラウザで開き、カスタムOSでの再インストールへ
さくらインターネットVPSコントロールパネル
にログインし、OS再インストール
をクリックします。
標準OSとして、CentOS 6 x86_64
が選択されています。DebianにしたいのでカスタムOSインストールへ
のリンクをクリックします。
2.JREをインストール(必要な方のみ)
VPSにOSをインストールするために、ブラウザからリモートでサーバに接続する必要があります。その準備として、 JRE(Java Runtime Environment) をインストールしておきましょう。JREというのは、Javaを使って作られたソフトを動かすために必要なものです。
すでに最新のJREをインストールしている人は無視してください。よくわからないという方は、とりあえずこの手順どおりにインストールして大丈夫です。
JREをインストールする場合は、注意事項のJava Runtime Environment
というリンクをクリックします。
Javaのページが別のタブで開かれるので、無料Javaのダウンロード
をクリック。
同意して無料ダウンロードを開始
をクリックします。
インストーラがダウンロードされるので、インストーラを起動してJREをインストールします。
ここで注意なのが、インストールの途中で、
無料のMcAfee Security Scan PlusをインストールしてPCの状態をチェックする。
というチェックボックスが出てくるので、 必要ない場合はチェックボックスを解除してください。
JREのインストールが完了したら、Javaのバージョンの確認
をクリックします。
すると、ブラウザから「実行するかどうか」を聞かれることがあります。
もし聞かれたら、実行するを選択してください。バージョンの確認がうまくいくと、下記の画面が表示されます。
以上でJREのインストールは完了です。
3.VPSコントロールパネルに戻り、インストールするOSを選択
これでOSをインストールする準備ができたので、VPSコントロールパネルに戻ります。
カスタムOSインストールの画面で、インストールするOSを選びます。
OS選択のコンボボックスから、Debian 7 amd64を選択してください。Wheezy というのは Debian 7 のコードネームです。通常、コードネームで呼ばれることが多いですので覚えておきましょう。
選択したら、確認ボタンを押して次へ進み、確認画面で実行ボタンを押します。
4.インストールの開始(VNSコンソールの起動)
OSを選択して実行ボタンを押すと、いよいよインストールが開始されます。
画面を見てみると下記の情報が表示されているはずです。
- IPアドレス
- ネットマスク
- ゲートウェイ
- ネームサーバ1
- ネームサーバ2
この情報はDebianのインストールに必要になるので、大切に控えておいてください。
さて、インストールを開始しました。 と表示されてますが、まったく進捗もわかりません。
当たり前です。サーバの画面が見れないと、インストールなんて進められません。
ここで VNC(Virtual Network Computing)コンソール の出番になります。先ほどJREを用意しておいたのも、このためです。
VNCとは、簡単に言うとネットワークがつながっているコンピュータの画面を遠くの別のPCなどから操作するためのソフトです。あなたのパソコンから、サーバの画面を操作しながらインストールを進めていくということです。
では、VNCコンソールを起動しましょう。
ブラウザによって多少動作が異なりますが、例えばChromeの場合、画面の上にJava(TM)を実行するにはユーザーの許可が必要です。
とメッセージが表示されるので、今回は実行する
をクリックします。
すると、もう一度「このアプリケーションを実行しますか。」と聞かれるので、実行ボタンを押します。
実行ボタンを押して待っていると、ブラウザとはちょっと違った形のウィンドウが現れ、次のようなDebianのインストール画面が表示されているはずです。
この画面は、マウスでクリックしても何も起こりません。キーボードの下を押してみると、メニューの選択位置が変化するのがわかると思います。
今まさに、VNCコンソールを使ってサーバを遠隔操作している状態です。
5.VNCコンソールを使って淡々とインストール
では、キーボードを使って、Debianのインストール画面で_Install_を選択してください。
選択したら、勢いよくEnterキーを押します。
以降、淡々と設定を入力していきます。
- キーボードの設定。使っているキーボードに合わせて選択してください。
- IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、ネームサーバの入力。それぞれコントロールパネルに表示されていた値を入力してください。(ネームサーバはネームサーバ1の値にしておきましょう)
- rootアカウントのパスワードの入力と確認。
- 新しく作成するユーザのフルネームを入力。例えば僕なら「Mitsuo Utano」とか。
- 新しく作成するユーザのアカウント名を入力。最初からフルネームから判断されたアカウント名が表示されていますので、そのままでもOK。変えたければ自由にどうぞ。
(スクリーンショットを撮り忘れた!)
- 新しく作成するユーザのパスワードの入力と確認。
- パーティションの設定。
Guided - use entire disk
を選択します。
- ディスクの選択。
SCST1 (0,0,0) (sda) - 21.5GB ATA QEMU HARDDISK
を選択します。(契約プランによって、容量が違ったり、選択肢の数が増えたりします。)
- パーティションの分割設定。
All files in one partition (recommended for new users)
を選択します。
- パーティション設定の確認。
Finish partitioning and write changes to disk
を選択します。
- 念を押されますが、負けずに
Yes
を選択します。
- パーティションのフォーマットが始まります。少しだけ待ちます。
Installation complete
と表示されれば、おめでとうございます。OSが無事にインストールされました。
Continue
を選択すると、OSがシャットダウンしてVNCが切断されます。
何が起きたのかびっくりするかもしれませんが、大丈夫です。もう終わります。
6.OSを起動
急にVNCコンソールが落ちるので焦りがちですが、VPSホーム
をクリックしてください。
すると、ステータスが_停止_になっているかと思いますので、起動
ボタンを押します。
数秒待つと、ステータスが_稼働中_に変わり、リソース情報のグラフに波が現れます。OSが起動しました。
7.VNCコンソールを再び起動して、Debianにログイン
もう一息です。
OSが起動したので、試しにログインしてみましょう。リモートコンソール
をクリックします。
黒い画面が表示されますが、これは使いません。その上にVNCコンソールを開く
とリンクがあるので、クリックします。
小さなメッセージが表示されますが、気にせずにOK
を押してください。
すると、先ほどのインストール開始の時と同様、Java(TM)を実行するにひあユーザーの許可が必要です。
とメッセージが表示されるので、今回は実行する
またはこのサイトでは常に実行する
のどちらかをクリックします。僕はもう面倒なので、常に実行するにしました。
少し待つと、VNCコンソールが起動します。
真っ暗ですね。ここで地味にハマるのが、いつまで待っても何も表示されることはないということです。
しびれを切らして、何かキーを叩くと、ログインプロンプトが表示されます。
ただスリープ状態になっているだけなのです。最初はわからなかった・・・。
気を取り直して、rootでログインします。パスワードはインストール時に設定したものを入力してください。
ログインできれば、完了です!
お疲れ様でした!
ちょっと長かったですが、これでさくらVPSにDebian Wheezyをインストールすることができました。
このあとは、自分のPCからリモートで操作できるようにしたり、ファイルをアップロードできるようにしたり、Webサイトを公開できるようにしたり・・・
やることはたくさんあります。これを面倒と思わずに、 楽しそう と思えるちょっと変わり者な方は、ぜひどこかのタイミングでVPSに挑戦してみてはいかがでしょうか?