[Sy] Amazon Linux + Apache2.4系 でのバーチャルホストの設定方法
Amazon Linux(EC2インスタンス)で Apache(httpd)2.4 を使ったバーチャルホストの設定(Webサイトを一つのサーバで複数動かす)方法についてです。
また、設定した以外のServerNameでのアクセスは拒否(403)する設定も合わせて説明します。
環境
- サーバ:AWS EC2インスタンス (t2.nano)
- OS:Amazon Linux (AMI release 2016.09)
- Webサーバ:Apache/2.4.23
⇒ [Sy] Amazon Linux のバージョンを確認する方法 | Syntax Error. ⇒ [Sy] Linux/macOS で Apache のバージョンを調べる方法 | Syntax Error.
やりたいこと
この記事では、以下のことをやるための設定について説明していきます。
URLやドキュメントルートは、設定したいものに置き換えて読んでください。
- Amazon Linux + Apache(http)2.4 の環境でバーチャルホストを有効にする。
http://test.utano.jp
というURLで/var/www/test.utano.jp
をドキュメントルートとしたサイトを表示できるようにする。http://[サーバのIPアドレス]
など、設定したServerName以外でのアクセスには 403 Forbidden を返す。
0.準備
バーチャルホストの設定を始める前に、まずは前提として
- Apache 2.4系がインストールされていて、起動済み。
http://[サーバのIPアドレス]
とアクセスすると、Apacheのデフォルトページが表示される。http://test.utano.jp
とアクセスしても、Apacheのデフォルトページが表示される。(DNSのレコード設定が必要)
という状態まで環境を作ってください。
Apache2.4系のインストールと起動についてはこの記事に書いてます。
⇒ [Sy] Amazon Linux に yum を使って Apache(httpd) 2.4 をインストールする方法 | Syntax Error.1.バーチャルホストとして表示したいサイトを作る
http://test.utano.jp
とアクセスした場合に、/var/www/test.utano.jp/
ディレクトリ配下のサイトを表示したいので、まずはディレクトリを用意します。
$ mkdir -p /var/www/test.utano.jp/
mkdir の -p オプション
`-p`オプションを付けると、もし`/var/www/`という親のディレクトリが作られてなかったとしても一緒に作ってくれます。
続いて、確認用に適当にHTMLファイルを作っておきます。
$ cd /var/www/test.utano.jp/
$ vim index.html
index.htmlの内容は例えばこんな感じで。表示確認用なので、ただ文字列を入れておけば良いです。
test.utano.jp
これでサイトの準備はOKです。
2.バーチャルホスト用の設定ファイルを作成する
Amazon Linux の Apache2.4 では、デフォルトでバーチャルホストが有効になっているので、以下のようなファイルを作成するだけで良いです。
$ sudo vim /etc/httpd/conf.d/vhost-test.conf
(vhost-test.conf)
<VirtualHost *:80>
ServerName test.utano.jp <= http://[ここの文字]
DocumentRoot /var/www/test.utano.jp <= さっき作った公開したいサイトのディレクトリ
<Directory "/var/www/test.utano.jp"> <= DocumentRootと同じ
Options Indexes FollowSymlinks
AllowOverride All
Require all granted
</Directory>
</VirtualHost>
ファイル名は.conf
という拡張子が付いていれば実はなんでも良いのですが、バーチャルホスト(VirtualHost)の設定ファイルということをわかりやすくするためにvhost-xxxx.conf
という感じにしておくのがおすすめです。
ちなみに、/etc/httpd/conf/httpd.conf
がメインの設定ファイルで、/etc/httpd/conf.d/xxx.conf
たちは追加設定のファイルという使い分けになります。
なので今作ったのは、test.utano.jp
用のバーチャルホストの追加設定ファイル ということになります。
3.Apacheを再起動して設定を反映
Apache は再起動しないと設定ファイルの変更が反映されないので、この時点では特に動きに変化はありません。
ということで再起動します。
$ sudo service httpd restart
Stopping httpd: [ OK ]
Starting httpd: [ OK ]
4.バーチャルホストのサイト表示確認
設定が反映されたはずなので、ブラウザでhttp://test.utano.jp
にアクセスしてみます。
すると、このように先ほど作成した/var/www/test.utano.jp/index.html
の内容が表示されるはずです。
ここまでで、基本的なバーチャルホストの設定は完了です!
あとはサイトを増やしたい場合は、その都度サイトを/var/www/
配下などに構築し、そのサイト用に/etc/httpd/conf.d/vhost-xxxx.conf
のような設定ファイルを作成して反映する、の繰り返しになります。
ただこの状態だと、http://[サーバのIPアドレス]
や他のDNSレコードでサーバに紐付けられているものなど、そのサーバへアクセスできるURLのどれでもhttp://test.utano.jp
のサイトの内容が表示されてしまいます。
なので次の手順であと少しだけ設定を追加します。
5.バーチャルホストとして扱いたい ServerName 以外でのアクセスを拒否する
ちょっと整理すると、今はこうなっています。
http://test.utano.jp
にアクセスすると、/var/www/test.utano.jp/index.html
の内容が表示される。http://[サーバのIPアドレス]
にアクセスしても、/var/www/test.utano.jp/index.html
の内容が表示される。
1はやりたかったことなので問題ないです。
でも2はやりたいこととは違うので、この場合は拒否(403 Forbidden)を返すようにしたいです。
そのために、先ほどのvhost-test.conf
と同じ階層に、vhost-00.conf
というファイルを作成します。ここではファイル名が重要な意味を持ってくるので、とりあえずvhost-00.conf
という名前で作ってみてください。
$ sudo vim /etc/httpd/conf.d/vhost-00.conf
(vhost-00.conf)
<VirtualHost *:80>
ServerName any <= ServerNameは「どれでもいいよ」
<Location />
Require all denied <= すべてのアクセスを拒否!
</Location>
</VirtualHost>
Apache を再起動して反映します。
$ sudo service httpd restart
Stopping httpd: [ OK ]
Starting httpd: [ OK ]
この状態(vhost-test.conf
とvhost-00.conf
の両方がある状態)で、あらためてhttp://[サーバのIPアドレス]
にアクセスすると、こんな表示になるはずです。
これは「アクセスが禁止されているよ!権限がないよ!」とエラーになっている表示です。先ほど作ったvhost-00.conf
で意図的にアクセスを拒否しているということです。
403という数字は、このタイプのエラーを表しているコードになります。(正常時は200)
一方、http://test.utano.jp
でアクセスした場合は、正常に/var/www/test.utano.jp/index.html
の内容が表示されます。
これでやりたいことは全てできました!
(おまけ)「vhost-00.conf」という名前をつけた理由
ちなみに、もしこの拒否するための設定ファイル名をvhost-zzz.conf
とすると何が起こるでしょう?
試してみるとわかりますが、http://[サーバのIPアドレス]
でアクセスしても拒否されずに/var/www/test.utano.jp/index.html
が表示されてしまいます。
これはvhost-test.conf
よりもvhost-zzz.conf
の方が辞書順でいうと後ろになってしまい、先に読み込まれたvhost-test.conf
の方で「その他のServerName」のアクセスを処理してしまうために起こります。
なので、「その他のServerName」のアクセスを拒否したい場合は、必ず辞書順で最初に来るようにvhost-00.conf
というような名前を付けておくと良いです!