[Sy] 「Git for Windows」でWindowsにGitをインストールする手順
Git for Windows のインストーラを使って Windows に Git をインストールする手順です。インストール途中の選択肢で結構迷うと思うので、そのあたりも説明していきます。
試した環境
今回の手順で試した OS は、
- Windows 7
- WIndows 10
です。
Git のバージョンは 2.9.0 です。
それでは手順を説明していきます。
1. Git for Windows のインストーラをダウンロードしてくる
まずは次のページを開いてください。
⇒ Git for Windows画面中央あたりにある Download ボタンをクリックすると、インストーラのダウンロードが始まります。しばらく待ちます。
2. インストーラを起動する
ダウンロードが終わったら、インストーラをダブルクリックして起動します。
ライセンスについて書かれてます。Next ボタンで次へ進みましょう。
3. インストール先のフォルダを選択する
どこのフォルダにインストールするか決めます。特にこだわりがなければそのままで。
4. インストールするコンポーネントを選択する
何をインストールするかを選択します。基本デフォルトのままで大丈夫ですが、気になる方は下の方に軽く説明をしてるので適宜選択してください。
ここで Git Bash と Git GUI の説明をしておきます。
Git for Windows には Git を使う方法が2つ用意されていて、それが Git Bash と Git GUI です。
それぞれ超ざっくりですが、こんな感じです。
- Git Bash : Unixをコマンドで操作するように、黒い画面を使ってコマンドを入力して Git を扱います。
- Git GUI : 普通のWindowsアプリケーションのような感じでGitを操作できます。
Git初心者にはまず Git Bash を使ってほしいと思う理由
Git GUI を使ったりして、GUI で Git を操作することは、おそらく主流だと思います。(TortoiseGit や Git Extensions など、有名なものも多いです)ですが、ぼくは基本的に Git 初心者にはまずは Git Bash のようなコマンドでの操作を薦めています。理由は、GUIは便利でわかりやすいですが、その代わり「自分でGitを操作している感覚」があまり感じられないからです。コマンドを一つ実行すると、どのようにファイルの状態が変化するのか、それを感じることが最初は大切だと考えています。プログラミング言語で言うと、いきなりVisual Basicから始めるか、C言語から始めるか、みたいな感覚に近いです。なんでもそうですが、便利なものは「基本を理解してから」使う方が良いと思ってます。
以下、選択肢の簡単な説明です。
- Additional Icons(On the Desktop)
デスクトップにアイコンを置くかどうか - Windows Explorer integration(Git Bash Here / Git GUI Here)
右クリックした時のメニューに、「Git Bash」「Git GUI」の起動メニューを作るかどうか - Associate .git configuration files with the default text editor
Gitの設定ファイルをデフォルトのテキストエディタで開くかどうか - Associate .sh files to be run with Bash
.shという拡張子がついたファイル(シェルスクリプト)を Git Bash で実行するかどうか - Use a TrueType font in all console windows
TrueTypeフォントをすべてのコンソール(黒い画面、だと思ってもらって大丈夫かと。コマンドプロンプトも含まれます)で使うかどうか
一番下のフォントのやつは、チェックするとコマンドプロンプトで文字化けが起こるので、そのあたりも自分でどうにか対処できる方のみ選択してください。
5. スタートメニューへ追加するかどうか選択する
スタートメニュー(Windowsキーを押した時に表示されるやつ)に追加するかどうかの設定を行います。
普通はそのまま(Don't create a Start Menu folder
にチェックがない状態)で次に進んで大丈夫です。
ですが、スタートメニューって何かをインストールする度にメニューが増えていってごちゃごちゃしてくるので、個人的にはスタートメニューには追加しない方が好きです。
ここでDon't create a Start Menu folder
にチェックして進んだ場合、C:\Program Files/Git/git-bash.exe
から Git Bash を起動できます。
スタートメニューから起動できないと面倒じゃないのか?
ぼくはこういう実行ファイルのショートカットを PATH の通ったフォルダに作成して、「ファイル名を指定して実行(Windows + R)」から実行するように徹底しています。例えば、今回の例だと git-bash.exe のショートカットを git というファイル名で作成して、そのショートカットファイルを C:\ShortCut という自分で作ったフォルダに移動します。 C:\ShortCut フォルダは環境変数PATHに登録しているので、あとは Windows + R で「ファイル名を指定して実行」を呼び出して、そこに git と打ち込めば Git Bash が起動できます。この方法だと、よく開くフォルダも同じようにショートカットを作っておけばすぐに開けるので便利です。
6. Gitをコマンドプロンプトから使うかどうか選択する
このあたりからちょっとややこしい設定になりますが、初めのうちは分かる範囲で理解できてればいいかと。
以下の画面では、Git のコマンドをコマンドプロンプトでも使いたいかどうかの選択を行います。
今回は Git Bash でのみコマンドが使えればOKという方針で進めるので、一番上を選択します。
それぞれの選択肢の意味ですが、
- Use Git from Git Bash only
Git のコマンドを Git Bash でしか使えない - Use Git from the Windows Command Prompt
Git のコマンドをコマンドプロンプトからも使えるようにする - Use Git and optional Unix tools from the Windows Command Prompt
Git のコマンドだけでなく、Unix のコマンドもコマンドプロンプトから使えるようにする
といった感じです。上2つはどちらを選んでもいいかなと思いますが、一番下だけは PATH についての理解ができていて、かつ必要だと思う場合に選択するようにしてください。
7. 改行コードの扱いをどうするか選択する
続いて改行コードの扱いについての選択になります。最初に挙げた参考URLの記事では一番下を薦めていますが、ぼくは真ん中が良いかなーと思っています。
これもちゃんと説明するととても複雑な話になってしまうので、なるべく簡単に。。。(でもやっぱり複雑なので、読み飛ばしてもらっても良いです)
まず、大前提として知っておいてほしいのが、改行コードにはざっくり3種類あるということ。
- LF:今のMacはこれ。LinuxやUnixもこれ。意味的には「1行下へ」なので、エディタでは「↓」で表現されたりします。
- CR:昔のMacはこれ?今はほぼ使われていないと思います。意味的には「左端へ戻る」なので、エディタでは「←」で表現されたりします。
- CRLF:Windowsはこれ。上の2つのあわせたもので、エディタでは「下に向かってから左へ向かう矢印(機種依存文字)」で表現されたりします。
この設定で大事なのは、どういったメンバーが一緒に開発をするのかによって、どれを選択するか決めるべき ということ。
3つの選択肢の意味は、
- Checkout Windows-style, commit Unix-style line endings
チェックアウト時にはLFがあればCRLFに変換する。(Windowsに合わせる) コミット時にはCRLFがあればLFに変換する。(Mac等に合わせる) - Checkout as-is, commit Unix-style line endings
チェックアウト時には改行コードはそのまま。(LFだったらLFで、CRLFだったらCRLFで取得する)
コミット時にはCRLFがあればLFに変換する。(Mac等に合わせる) - Checkout as-is, commit as-is 特に何もしない。(LFだったらLFで、CRLFだったらCRLFでチェックアウト、コミットする)
となります。
なぜぼくが真ん中が良いと思っているかというと、今どきのチーム開発(特にWeb系)では、次のような状態になってると思います。
- 作業端末はMacとWindowsが混在するのが普通。
⇒ 何も考えないと、作業者によって改行コードが混在してしまう。 - 本番のプロダクトが稼働するサーバはLinuxが多い。
⇒ Linux上でファイルを触ることもあり得るのでリポジトリ上ではLFで管理したい。 - Windows上でも優秀なテキストエディタが多く、LFで問題なく開発できる。
⇒ きちんと元ファイルの改行コードを維持して編集できるので、CRLFに変換する必要はない。
まず改行コード混在のことを考えると、一番下の選択肢Checkout as-is, commit as-is
だと、ファイル作成者のOSに応じてCRLFとLFのファイルが出来てしまい、そのままコミットされると混在してしまいます。それを良しとするかどうかはチームの方針次第ですが、ぼくは統一したいので、一番下の選択肢は選びません。(統一するとしたら、ぼくが仕事で関わっているサイト等は稼働サーバはすべてLinuxなので、LFにしておきたいところです。)
残りの2つの選択肢(一番上と真ん中)ですが、最近主流のエディタはLFのファイルはLFのまま普通に扱えるので、わざわざCRLFに変換してWindowsに合わせる意味はないかと思います。
・・・ということで、チェックアウト時は何もしないで、コミット時はLFに統一、ということで真ん中を選びました。
メンバー全員がWindows、ということであれば、一番下でいいかなーと思います。(リポジトリ上でもCRLFで統一して管理する)
とにかく混在するのは避けたいですね。
8. ターミナルに何を使うか選択する
ターミナルとかコンソールとか、ややこしいですが、ここは特に理由がなければ上のUse MinTTY
で問題ないです。
ここも超ざっくり説明すると、「黒い画面を開くのに MinTTY と Windows標準のどちらを使う?」という感じです。
Windows標準というのは、コマンドプロンプトだと思ってもらえば良いかと。あれと同じような使い勝手が良いか、MinTTY というやつが良いか、ということですね。
MinTTYについて
細かい説明はここでは省略しますが、MinTTY は、PuTTY の後継で、 Cygwin に同梱されているみたいです。
9. キャッシュと2段階認証の設定有効/無効を選択する
ここも、よくわからなかればそのままで問題ないです。
2つありますが、それぞれこんな感じの設定になります。
- Enable file system caching
fscache を有効にする。(git status の実行速度が早くなったりするみたい) - Enalbe Git Credential Manager
Git Credential Manager を有効にする。(GitHub等の2段階認証の手間をなくしてくれるみたい)
設定を確認したら、Install ボタンを押して、インストールを実行します。
10. インストール完了 & 起動
これで Git をインストールできました。
Git Bash は、以下のいずれかで起動できます。
- スタートメニューに追加した場合:[スタートメニュー] -> [すべてのアプリ] -> [Git] -> [Git Bash] をクリック
- スタートメニューに追加しなかった場合:
C:\Program Files/Git/git-bash.exe
をダブルクリック
起動すると、こんなウィンドウが立ち上がります。
git --version
とコマンドを入力すると、インストールされた Git のバージョンが表示されます。
あとは、MacやLinuxと同じ感覚で Git を扱うことができます。
参考URL
下記URLが非常に参考になりました。
⇒ 私家版 Git For Windowsのインストール手順 | OPC Diary